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届いた

雑記 読んだ・読む・読んでいる

 

 

 少しずつ読み進めている。

 ぼくは訊いた。アーティストか何かかい?

 するとタイラーは肩をすくめ、五本の丸太は根元の方が太くなっているだろう、と言った。次に砂の上に引いた直線を指し、その線を利用してそれぞれの丸太が落とす影の長さを測るんだと言った。

 ときには、目を覚ますとそこがどこだかわからないことがある。

 タイラーが作ったのは、巨大な手の影だった。そのときの人さし指から小指は吸血鬼のように長すぎ、親指は短すぎたが、タイラーは、きっかり四時三十分には完璧な手だったのだと言った。巨大な影の手は一分間だけ完璧な形を保つ。その完璧な一分のあいだ、タイラーは自分の作った完全無欠のてのひらに座っていた。

 目を覚ますとそこはどこでもない。

 一分で充分だとタイラーは言った。そのために努力を強いられたとしても、完璧な一分にはそれだけの価値がある。完璧な存在は、どれもせいぜい一瞬しか続かない。

 目を覚ます、それだけで充分だ。

 彼の名はタイラー・ダーデン、組合に所属する映写技師、ダウンタウンのホテルの宴会場のウェイター、そして彼は電話番号をくれた。

 こうしてぼくらは出会った。

 映画とは違う、ヌードビーチにおける二人の邂逅。これはこれでかっこいい。

 

   ***

 

 「せやな」→「そうですね」

 「せやろか」→「そうでしょうか」

 「せ」→「そう」

 「せっせっせーのよいよいよい」→「そうっ!そうっ!そうなの!良いです!良いです!良いです!」

 

 敬具