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今週の刃牙道

 かつてバキという物語において、敗北は必ずしも死を意味しなかった。戦いに敗れ、肉体を破壊され、ときには腕を喰われ、あるいは足をもがれたファイターたちは、しかし失ったものと引き換えに価値のある何かを掴んでいた。敗北の中に次に繋がるものを見出し、お互いを高め合う。ある種のホモソーシャルな友情すら、ファイター達の中には存在した。

 だから宮本武蔵という存在は、彼が持ち込んだ闘争=命の奪い合い、敗北=死、次に活かせる敗北など存在しない、という価値観は、烈海王の戦死は、『バキ』の根底すら揺るがしかねない危険な『異物』だったのだ。

 つまるところ本部以蔵が本当に戦わなくてはいけなかったのは、敗北=死という価値観で、本当に守護らなければいけなかったのは、「次に活かせる敗北」だったのだろう。宮本武蔵本人すら、本部にとって守るべき対象だった。

 本部と武蔵の戦いは、同時に現代と戦国の敗北観、価値観、「これまでのバキ」と「そうでないバキ」の戦いだったのだ。満身創痍からの裸締めによって生死に依らない勝ちを奪い取った本部以蔵は、まさしく『バキ』の守護者であり、素手でも勇次郎に並びうるほど強い宮本武蔵を倒したのだから間違いなく地上最強格のひとりに……って本部勝っちゃったよ!!!

 だれが予想したよこの展開を…だれが予想したよこの熱さを!!!!

 自分自身、闘士たち、現代の価値観、そして武蔵の命、本部は多くのものを背負っていたんだね…そして守護り勝った!!!最初に守護るとか言い出したとき笑ってごめん…どうせ武蔵に殺されるだろとか決めつけててごめん…本部はバキ世界そのものの守護者だった! 意志の力で世界を守ったのだ!!!!! 本部!!本部ーッ!!!!!!!!うおーッッッ!!!!!!!本部ーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 おわり