日記:十月七日 いやジョジョ四部以外の実例は思いつかないのだが、

 人気のない不気味な小路を進み、やっと広い道に出れたと思って振り返ると、それまで歩いてきた筈の道がなくなっていた、という都市伝説めいた体験をした。Googleマップストリートビューで。

 もはやビューできないストリートの方が少ないのではないかと思えてくるストリートビューだが、当然ながらすべての道を同じカメラが同じ日に撮影している訳ではないので、道路一本渡ると撮影者が変わり撮影日も数年飛んで街の様子が変わっていることがある。

 Googleマップを使って調べものをしている途中で見つけたその小路は――マンション住人用通路なのか偶々マンションの脇を通っている細い公道なのか判然としない小路は、カメラが侵入できたのだから少なくとも立ち入り禁止の私道ではなかったのだろうが、それにしても見上げる壁はひび割れドアは錆だらけ洗濯物が干されているベランダの方が少数派という具合なのでいつ取り壊されても不思議ではないなと思いながら大通りに向かってクリックすると撮影年度がいっきに数年飛ぶ。

 すると辺りは夕暮れ空の色で赤みがかり、視界を180度回転させて確認した小路は工事現場の仮設フェンスで封鎖されていた。ほんとうに取り壊されてしまったらしい。工事は去年始まったばかりなので地図には反映されていなかったようだ。

 ストリートビューの世界では2018年と2023年が同じ地平に並んでいるのだなと思う。ちょっとしたSFではないだろうか。

 

 

おわり