コロナ禍最盛期にはあらゆる建物のあらゆる出入口に設置され時代の象徴とも言えた足でグッと押すと消毒液が出てくる例のボトルも街中から数を減らしつつある昨今だが大人しく忘れ去られるのを良しとせず世界に爪痕を残そうと企むボトルもいたのか夕食を買いに行ったスーパーマーケットの自動ドア付近に鎮座していた例のボトルの先端はソードオフ・ショットガンの如く切り詰められていて足でグッと押した瞬間ビャッと放たれたアルコールがズボンにかかったんだけどまあアルコールならいいのか……?汚れ判定にはならない……?むしろ清潔……?なんか前にもこんな内容のこと書いた気がするな。これは店員さんに「消毒のボトルのやつ壊れてますよ」と伝えるべきだ、誰がが不幸の連鎖を止めなくてはいけない、と考えながら値引きシールの貼られた焼きそばを買って帰った。今頃スーパーでは同じ悲劇が繰り返されているのかな。こんな不条理が許されるのか?世界は何故平和にならないのだろう……世に満ち満ちる苦しみを想い切ない気持ちになる冬の夜だった。
おわり