日記:二月九日 こんなに悲しいことってない

 河鵜のアクリルキーホルダーが壊れてしまった。チェーンを通す穴がパッキリ割れてしまって、最早キーどころか何もホールドできないのでとてもキーホルダーとは呼べない。こんなに悲しいことってない。

 出会ったのはおととしの春ごろだったか。動物園の物販コーナーで購入したのは直感的に「いいな」と思ったからで、帰宅してから河鵜について調べてみたところ糞便で林を枯らし川を汚し橋を腐食させ崩落事故の遠因をつくり、個体数を減らすべく狩猟鳥に指定されたが肉や羽毛に使い道がないので猟師にもあまり好まれていないマジの害鳥であると知り、僕もかくありたいものだと感銘を受けたのだった。それからはどこに行くにも常に一緒だ。繰り返すにこんなに悲しいことってない。もう持ち歩くことはできないけれど、人類社会に害を成しまくる害鳥の精神だけは抱え続けて生きていこう。欠けた河鵜にそう誓う。

 

 

 

おわり