鼻をかんだティッシュが机の上に転がっている。いつからここにあるのだろうか。まだほんのり湿っている。定期的にこういうゴミが洗濯物に混入して大変なことになるので、目に入った瞬間にゴミ箱に突っ込むべきなのだろうが、気づけばフィジェットトイのように片手で弄ってしまう。丸く固めて毛羽立った雪玉になる。ハンドスピナーよりは安上がりだ。百均で買ったハンドスピナーは二度失くしてしまった。一度失くして、ベッドの下で埃を被っているのを発見して、それからまた失くした。もしかしたらベッドの下で埃を被り直しているのかもしれない。きっと暗いところが好きなのだろう。ハンドスピナーがそうしたがっているならそうすればいいんじゃないかと思う。何であれなるべくは自主性を重んじたいが、ティッシュが洗濯籠に入ろうとするのだけはどうしても認められない自分がいる。ティッシュがベッドの下に定住するのは別にいいし、ハンドスピナーが洗濯物の輪に混ざるのもそこまで嫌ではないのに、テッシュと洗濯物が連れ添うのを認めないのはアンフェアではないか。理屈で考えればその通りだが、これまでティッシュと洗濯物は別々の世界で生活してきたのも事実だ。それで上手くやってきたのだからそのままでいい――と叫ぶ保守的な部分が僕の中にもあるのかもしれない。
おわり