日記:五月二十日 探している小説

 昔からずっと探している小説がある。

 小学生の頃に図書室で借りた本。たぶん子供向けのSFレーベルだったような気がする。どうやら少年の父親が何者かと入れ替わっているようで、その背後には人間の皮を被る宇宙人の存在があった……というオカルト華やかなりし時代の陰謀論めいた内容。

 宇宙人は生命維持のため良質なタンパク質を必要としていて、ゆで卵をスプーンでご馳走のように食べるくだりがあったのを覚えている。ゆで卵ってそんな美味いの?と読みながら思った記憶がある。

 擬態の素材になった人間は死んでしまう。主人公の父親も残念ながら既に亡くなっているのだが、実は宇宙と関係する(?)仕事をしていた(?)父親は、命からがら地球にやってきた宇宙人を助けるため対話の末に自らの意思で身体を提供する決意をしていた……という事実が終盤明らかになる。

 たしか続編もあった気がする。父親の姿を借りた宇宙人とのウェットなやり取りがあったようななかったような。

 十年以上前から探してるんだけど未だに見つからない。ネットで情報を募ったことも何度かあるのだけど成果はない。AIに聞いても「情報足りな過ぎ」って言われた。読んだのが90年代後半で、電子書籍なんかない時代だ。流行った訳でもない紙の本ってもはや殆どロストメディアなのかもしれない。

 何かご存知の方がいたら教えてください。

 

 

 

おわり