日記:六月三日 70円

 自販機で190円のジュースが売られていたので「190円などという強気の値段に設定されているのだからさぞ美味いのだろう」と購入し「なるほど190円の味がするな」と納得した数時間後に別の自販機で同じジュースが120円で売られているのを発見したのが数日前なのだが、未だに思い出すくらい悔しい。差額の70円のことを常に考えている。あの場で190円のジュースを飲むという体験が120円でジュースを飲むそれより70円ぶん幸福度が高かったかと問われれば完全にノーで、純粋に損でしかない。純粋な損をした。70円ぶんも……雨の降りしきる東京の夜空の見上げながら、70円のことを、ずっと考えている……

 

 

 

 

おわり