このブログを読んでくれている人の男女比が分からないので一応説明すると男性用パンツには小便をする際に男性器を出す為の穴がある場合があり、ない場合もあり、あるからと言って必ずしも使うとは限らず、使う使わないの派閥もあるのかもしれないが真剣に捉えている人は多分いない、それがしっこ穴である。
その日のパンツのしっこ穴の有無なんてトイレに行くまで意識しないくらいで、だから今朝、駅のトイレでズボンのチャックを下げたときにも「あれっ今日のって穴ないやつだっけ覚えてないけど」とまず考えた。
それにしては指先の感覚が妙だ。明らかに切れ込みはある。構造上は切れ込みに指を突っ込んで折り重なった布をずらせば男性器に辿り着く筈なのだが、どうまさぐっても指は雲を掴むように空を切ってしまう。おかしい。小便器の前で腰をふりながらもじもじする。
奇妙なことが起きている、と直感した。ズボンと男性器の僅かな隙間に無限の距離が広がっている。世界がバグったのだろうか。宇宙の理の歪みがしっこ穴で表出したのではないか。何故しっこ穴なのか?それは分からない。常人には物理法則のすべてを理解できないのと同じことだ。ただひとつだけ明らかな真実は、永遠に続く虚無の淵と化したしっこ穴それそのものだけだ。
帰宅してから確認したところパンツの布がだっるんだっるんになっていた。穴もだっるんだっるんになったので男性器を出すどころではない。だっるんだっるんになったパンツは買い替えた方がいい。今度買い替えることにする。
おわり