そう言えば一作目を観たことなかった。
これSFホラーじゃなくて美術を眺めるための映画かもしれない。上映時間に対しエイリアンが画面に映っている時間が驚くほど短く、想像していたよりもずっとスローテンポな話なのだけど、偏執的に作り込まれた宇宙船を背景にキャラが芝居してるだけで画として妙に強いから間が持ってしまう。わざとらしいBGMが排され環境音だけが響く雑多な通路を(セットの規模と比較して相対的に)小さくちっぽけな人物が不安げに歩くシーンが多く、ディテールの細かさに目を惹かれると同時に精神的な圧迫も感じる。
遠未来の設定なのにモニタがアナログだったり用途のわからないボタンやランプがあっちこっちにくっ付いてたり対話型“マザーコンピューター”が無料プランのChatGPTより融通利かなそうだったりするのは70年代って感じで愛嬌だ。レトロフューチャー的な面白みも発生している。
70年代にしても宇宙船の中でタバコ吸ってるのは笑っちゃったけれど。換気どうするつもりなんだろう。
白眉は宇宙人の遺棄船を探索するシーンで、機械的な構造と生物の質感を合わせ持つ悪夢めいた空間は2025年に観ても陳腐じゃない。地球のそれとまったく異質な技術体系のまったく異質なメカニズムが働いている説得力があり引き込まれてしまった。フェイスハガーとかチェストバスターは正直有名になり過ぎてしまって「これが初代か~」くらいの感慨しかなく(人が殺される場面を直接映さない演出をされているのあって)あんまり怖くはなかったのだけれど、それでも冒涜的なデザインはやっぱり唯一無二だ。H・R・ギーガーって凄い。
にしても繰り返しになるがエイリアンが全然画面に映らない。それでも細かい演出で緊張感は保たれているからいいけれど、全編通してほんとに美術ありきの映画だったな。
