日記:八月十八日(ネタバレなし)プロジェクト・ヘイル・メアリーは言うほどネタバレ厳禁小説ではない気がするが何故言うほどネタバレ厳禁ではないのか説明しようとすると物語の構成に触れざるを得ないので間接ネタバレになってしまう小説ではある

 

 面白かった!!!!!!!!!!

 

 たとえばミステリ小説が「二度読み必須!」みたいな宣伝をされていたら「ああ叙述トリックがあるのね」と分かるし、それに対して「言うほど二度読み必須か?」と疑問を呈している人がいれば「ああ叙述は大ネタではないのね」と察せてしまう。前者もよくないが後者もそれはそれでゼロから疑う楽しみ、騙される楽しみを間接的に奪っていると言えるかもしれない。

 翻ってプロジェクト・ヘイル・メアリーである。インターネットでは「一切の事前情報を入れずに読め」と唱える言説が支配的である。実写映画版の予告映像も観るなとすら言われている。言われているが……

 そこまで神経質になる必要はない気がする!!!!!

 何故ならば……と説明を試みれば直接ネタバレはせずともその外周に必然触れる。SFはミステリ程に型の決まったジャンルではないが、それでもカンの良い人なら物語の構造を察してしまうかもしれない。ゼロから探っていく読書体験の阻害と言えば阻害ではあろう。

 でも不思議なのが、興味を持ってもらうためにフックの強い要素を紹介するのってよくある宣伝手法だった筈なんだよな。何でまた今作でそれがダメになっているのだろうか。

 ネタバレは可能な限り避けるべきだし回避の為の配慮はあって然るべきだと考えるが、それはミステリだろうがSFだろうが純文だろうが基本的に同じことだ。じゃあどうしてプロジェクト・ヘイル・メアリーは他の小説と比較して特別にネタバレ厳禁であるかのように扱われているのか?

 もちろん理屈は分かるけど、分かった上でなお、別にそこまで拘る必要はないと考える。単なる逆張りのつもりじゃないよ。何故って……いや間接ネタバレか。詰んでいる。

 現状で可能なのは「ネタバレ厳禁!何も語るな!」というスタンスと「ネタバレ上等で語ります!未読者は引き返せ!」というスタンスだけではないか。程度問題だろうという立場が不可能になってしまっている。

 だから僕も万が一叩かれたら嫌なので「面白かった!!!!!!!!!!」としか言わないことにする。こうやって保身のためによくない流れに迎合する弱き者ばかりだからこういう現状があるのだろうな。実際面白かったよ!!!!!!!!!!でもあんま急いで読まなくても大丈夫かも!!!!!!!!!!

 

 

 

おわり