日記:十二月四日 たまごっちが!

 スーパーの入り口で眼前に差し出され反射的に受け取ったポケットティッシュには福引券が挟まれていて、辺りに目をやると敷地の片隅を借りてMVNOの声かけ営業をやっている業者の折り畳みテーブルに手作り感溢れるくじ引き箱が置かれていた。逡巡したのだけれど、もし券を見せたら参加賞のお茶かなんかと引き換えに「スマホの料金見直しませんか?」「あっ……別に大丈夫なんで……」「どこのスマホ使ってます?」「いや……はは……」みたいな数分間が発生するのかな……と想像して嫌になってしまい、けっきょく福引に背を向けて買い物へと逃げてしまった。要領良い人ってこういうとき貰うもの貰ってすぐ離脱できるのかな、とか、僕が無視した福引を用意する為にも誰かの労働が発生しているんだよな、とか、そもそもこういうやり口で契約数って増やせるもんなのかな、とか、ぐるぐる考えながら夕食を詰めたカゴをレジに置いてふと目を上げるとレジ横にブリスターのたまごっちが売られていた。たまごっちが!パッケージに描かれたまめっちはすべてを見透かすような瞳で薄く笑っていた。

 

 

おわり