スタローンとシュワちゃんの(任意)曜洋画劇場!!!映画「大脱出」感想(ネタバレなし)

 例のごとく映画を観ている。

 

大脱出 (吹替版)

大脱出 (吹替版)

 

 

 シルベスター・スタローン演じるレイ・ブレスリンは脱獄のプロ。自ら刑務所に収監されたうえで脱走せしめることで警備の穴を指摘するセキュリティ・コンサルタントである。

 今回彼が持ちかけられたのは連邦政府が極秘に運営している非合法刑務所からの脱獄。強引な手段で収監されたレイは、自分が卑劣な罠に嵌められたことを知る。難攻不落の刑務所の中で孤立無援になったレイに接近するのは、アーノルド・シュワルツェネッガー演じる囚人たちの中の実力者ロットマイヤーだった……

 

 往年の木曜洋画劇場ライクなオッサン空間が展開されるがインターネット配信のおかげで任意の曜日に観ることができる(超絶面白ジョーク)。

  強くて知的でクールなスタローンとシュワちゃんがテンポよく脱獄計画を進めていく様を楽しむ映画。アクション俳優の最前線からは一歩引いた両人の役者としての魅力が存分に引き出されている。特にスタローンのどこか影のあるミドルっぷりが味わい深いが、シュワちゃん側が薄いのかと言えばそうでもなく溜めに溜めたフラストレーションを最初に爆発させてくれるおいしい役どころを「アーノルド・シュワルツェネッガー」という漢の説得力で持って伸び伸び演じてくれている。

 ○○○○が脱走の重要なキーになっているのがユニーク。「なるほど」と膝を打つ合理性があるのと同時に現代アメリカの社会の反映も感じる。あるいは非合法刑務所の無慈悲さ、倫理観の欠如の対比として配置される一種の倫理規範が○への○○○だったのかもしれない。

 ともかくも良い映画である。休日に気を抜いてゆっくる観るのが向いている。

 ビデオ配信やソフト版のあらすじやら予告版映像やらの各種宣伝で中核部分をネタバレしてやがったのでそれは気をつけて欲しい。どんな判断なんだアレ。

 

 

 

 

おわり

 

 

 

映画「アフタースクール」感想(ネタバレなし)

 昨晩から虚無虚無の虚無の虚無の虚無の虚無なので連チャンで映画を観ている。

 

 

 母校の中学校で働く人のよい教師・神野(大泉洋)の元に、かつての同級生だと名乗る怪しい探偵・北沢(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。
北沢は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤めるサラリーマン・木村(堺雅人)の行方を追っていた。
心ならずも神野は木村探しに巻き込まれてしまう・・・。人を疑うことを知らない男と、人の裏側ばかりを見てきた男。
ちぐはぐコンビの捜査活動から、神野の知らなかった、友人・木村の一面が次々と明らかになり、物語は思いもよらぬ方向へと向かっていく・・・

  amazonDVD商品ページより引用

 

 

 今日観た映画の中では一番楽しかったかもしれない。大泉洋が現代の名優であることをしっかり教えてくれる一作。「どうでしょう」だけの人じゃないんだぞ!

 邦画史に詳しくないぼくはたまにこういうお金の代わりにアイディアを費やした映画を観るたび気になるんだけど初期の伊坂幸太郎がこの手の邦画っぽいのかこの手の邦画が初期の伊坂幸太郎っぽいのか。まぁ初期の伊坂幸太郎作品はだいたいこういう雰囲気の邦画になっているので分けて語るのがそもそも無意味なのかもしれんけど。

 つまりは「アフタースクール」もそういう映画で、冴えた伏線と憎めない小市民の物語である。

 伊坂幸太郎の小説が好きな人は「アフタースクール」も好きになれるだろうし、「アフタースクール」が好きなひとは伊坂幸太郎の小説も好きになれるだろう。

 キーパーソンであり物語に厚みに与えるのはやはり大泉洋演じる中学教師。骨子だけ抜き取れば浮世離れしているようにも見えかねない役どころにひとりの人間として肉をつけ説得力を与えている。

 この場合の説得力ってのは「こういう人も現実にいそう」という即物的リアリティよりかは「この人ならこうなんだろうな」みたいな受け入れ易さの演出力で、こんなもん生ぬるいファンタジーだと切って捨ててしまえばそれまでだけど大泉洋を始め堺雅人佐々木蔵之介も「ファンタジー」を嫌味なく表現することのできる役者だよね。まぁそれって一種の文脈の共有というか明確に定義されてないジャンルというか、つまりはやっぱり「この手の邦画」的なアレだ。舞台演劇の延長にある感じのアレ。わかるでしょう?

 ド派手な中国資本アクション人間の暗部を抉るような鋭さはないけれど、「この手の邦画」に求めるもののすべてが平均点を大きく上回って描かれている快作。観終えたあとには爽やかな気分が残ること間違いなし。 鳴滝さんも出演しているぞ!

 90分ちょっとで終わるし気軽にどんでん返しを味わうのによいのでは。コツはあまり先読みに本気になり過ぎないこと。真剣に考えた推理が外れると悲しいし虚無以下の虚無だから……

 肩の力を抜いて騙される態勢を整えよう。

 とっても気分のよい映画でした(虚無)。

  虚無……

 

 

 

おわり

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション感想(ネタバレなし)

  夜中に突然虚無虚無の虚無の虚無の虚無になったので映画を観た。

 

 

IMFのエージェント、イーサン・ハントは謎の多国籍スパイ組織〈シンジケート〉を秘密裏に追跡していたが、催涙ガスによって敵の手に落ちてしまう。
目覚めると後ろ手に拘束されており、目の前には謎の女と、3年前に死亡したはずのエージェントがいた。
まさに拷問が始まろうとしたその時、女は驚くべき格闘術でイーサンを脱出させる。
ブラントからIMF解体を知らされたイーサンは〈シンジケート〉の殲滅を誓うのだが、彼は国際手配の身となっていた…。
組織の後ろ盾を失ったイーサンと仲間たちが挑む、究極の諜報バトルの結末はーー?

  AmazonDVDコレクション商品ページより引用

 

 

 トム・クルーズがアリババ資本を無限に溶かしながらトンチキSFガジェットを駆使して超絶アクションを繰り広げるサービス精神の塊みたいな映画。ゲットアウトよりは虚無に効く。先にこっち観れば良かったのかもしれない。

 とにかく「サービス精神の塊」としか表現できず、公開時にも話題になったノースタントの飛行機へばりつきから始まりマシンガンのごとく矢継ぎ早にアイディアと資本豊かなアクションシーンが投下されるのである。トムが絞りあげられた筋肉を披露するとレベッカ・ファーガソンも鍛えあげられた太ももで応戦し銃弾が飛び交いスタントマンも飛び交い巨大セットは使い捨てられ各国の観光地でスポーツカーやバイクが爆発炎上する。

 繰り広げられるは巨悪との対峙!緊張感溢れるミッション!レベッカ・ファーガソンの尻!国家レベルの陰謀!追い詰められるトム!ノースタントの公道カーアクション!レベッカ・ファーガソンのライダースーツ!チームの友情!手に汗握る駆け引き!鮮やかな逆転!レベッカ・ファーガソンのボディライン!中国資本でつくられた映画ということなのでゴリ押しサブリミナル中国要素に期待したのだけれど案外慎ましやかだったのは残念だった。ゴリ押しサブリミナル中国要素はサービスのうちに入らないという判断なのだろう。おれは急に伊利集団の低脂肪牛乳をおいしく飲み出すトムも観たかったが…

 

 あまりにも貪欲に面白要素をぶち込んでいるが故に状況がどんどん移り変わっていくのが本筋のブレのように思えなくもない。時代の不安を反映した新しい類型の陰謀を暴く映画だとも、謎の女レベッカ・ファーガソンとの危険なロマンスの映画だとも、囚われのサイモン・ペッグを命をかけて救い出すブロマンスの映画だとも強弁できるだろう。まあ別にどのような軸で観ても許される映画のように思う。

 ほんとうのことを言えばパソコンのちっこい画面で観るべきではないんだろうけれど。いま新作やってるんだっけ。行けば楽しいんだろうけれど虚無虚無の虚無の虚無の虚無の虚無の虚無の虚無なので…… 

 虚無……

 楽しい映画だった(虚無)。

 

 

 

おわり